2008/04/15[火]
オトシモノ妄想
交差点のど真ん中。
注意を促す信号機の上。
徐に上りあがり、目の前に広がる天使達の後を追うために一歩踏み出した。
もうすぐ着ける、どこか幸せな場所にっ。
赤紫の階段を駆け上がり、蛍光色の黄色い扉を空けた先には何があるんだろう。
楽しみだ!とても楽しみだ!
だから早くこの階段を昇ろう!
そんな幻覚を見た子供がいたとかいないとか。
それで、あそこに、あれが。
2007/02/29[金]
オトシモノ妄想
道端に子供用の長靴が落ちていました。
「明日、遊園地に行こう!」
そういって、父は私を遊園地へ連れて行こうとした。
明日は私の父が私の父である最期の日だ。
だけど、雨だった。
「雨になっちゃったからしょうがないな、お散歩しようか!」
私と父は外で他愛もない会話をした。
その他愛のない会話をしている父はとても明るい表情だった。
その日の私にはいつも以上に明るく見えた。
「何してるの!?勝手に連れ出したりて!!何考えてるの!?」
「いや・・・あの・・・」
「こっちにいらっしゃい!!」
「やだ!!まだパパと一緒にいたい!!」
「だまりなさい!!」
母は泣き喚く私を強引に抱き上げると、父と私の長靴を残して家に向かった。
それ以来、父にも、長靴にも、会っていない。
それで、あそこに、あれが。
2007/02/28[木]
オトシモノ妄想
道端におわんが落ちていました。
「あんた!また生活費持ち出して!」
「うるせぇ!!酒が飲みてぇんだよ!!」
「だからって・・・武雄の学費はどうするんだい!」
「知るか!!」
「と、父ちゃん、これ、誕生日だから・・・」
「うるせぇ!!」
バチーン
その晩。
「ぐす・・・ぐす・・・ちくしょうこんなもの!!」
カランカラーン
それで、あそこに、あれが。
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